nuno no tabi|05 布と暮らす — 育つということ

zen no ma|nuno no tabi

布は、買った瞬間が完成ではありません。
そこから始まる時間の中で、
すこしずつ育っていきます。

触れられ、洗われ、乾き、
また使われる。

その繰り返しが、
布にやわらかさと記憶を与えます。

新品のときの張りや清らかさも、
美しいひとつの表情ですが、

洗いを重ねたあとの布は、
驚くほど軽く、呼吸の深い質感になります。

それは劣化ではなく、
暮らしと共に育つ変化。

人が日々のなかで整っていくように、
布もまた、時間とともに整います。

洗うことは、布の儀式のようなものです。

丁寧でなくてもいい。
ただ乱暴にしないこと。

洗ったあと、空気のある場所で静かに乾かすと、
布はふわりと軽く戻り、
触れたとき、すぐに違いが分かります。

日が当たり、風が通り、
時間が重なる布ほど、
身体にも暮らしにも自然と馴染んでいきます。

そしてある日ふと気づきます。

最初より柔らかく、
最初よりあたたかく、
最初より「自分の布」になっていることに。

やがてこの布は、
旅に連れていきたくなる存在になります。

小さく畳めて、すぐ乾き、
どこに置いても馴染む。

ホテルのバスルーム、海辺の朝、
山の空気、機内の静けさ。

場所が変わっても、
布はいつも同じ質感でそばにあります。

それは“持ち物”というより、
心を落ち着かせる小さな帰る場所。

布は、暮らしにとけ込み、
いつのまにか欠かせない存在になります。

飾るものではなく、
役割だけを持つ道具でもなく、

ただ、そっと寄り添い、
静かに育つ布。

大切なのは、
どう使うかより、どう共に生きるか。

zen no ma の布が、
あなたの暮らしの速度に寄り添い、
呼吸とともに育っていきますように。

zen no ma

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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