zen no ma
nuno no tabi|03 織り — ゆっくり織る布のリズム
zen no ma|nuno no tabi 布には、呼吸が宿っています。速く織られた布には、忙しさの余韻が残り、ゆっくり織られた布には、静けさの呼吸が流れています。zen no ma の布は、昔ながらの織機で、ゆっくりと織られています。それは効率のためでも、糸を守るためでもなく、急がないことでしか生まれない柔らかさを大切にしているからです。現代の速い織機では、糸に強いテンションがかかり、真っすぐ、硬く、均一に仕上がります。それはそれで美しさがありますが、そこには、“余白”がありません。昔の織機は、まるで息をするように動きます。糸の間にふくよかな空気が入り、布全体に、わずかな揺らぎが生まれます。この揺らぎは、不完全さではなく、布が呼吸している証。そして触れると、やわらかい静けさを感じます。手に取るとすぐにわかります。この布は、ただ織られたのではなく、時間と呼吸が重ねられているということを。織りが整いすぎていないその表情は、完璧とは違う美しさ。自然と似たバランス。人の暮らしに寄り添う形。zen no ma が求め続ける“呼吸する布”は、速さでは生まれません。ゆっくり。淡々と。ぶれないリズムで織られた布。その速度こそが、心に触れるやわらかさを生むのです。次は、「羽」と「結」。布が形ではなく、使う人の所作で変化する理由について書きます。 — zen no ma 00 / 01 / 02 / 03 / 04 / 05 → 04
nuno no tabi|03 織り — ゆっくり織る布のリズム
zen no ma|nuno no tabi 布には、呼吸が宿っています。速く織られた布には、忙しさの余韻が残り、ゆっくり織られた布には、静けさの呼吸が流れています。zen no ma の布は、昔ながらの織機で、ゆっくりと織られています。それは効率のためでも、糸を守るためでもなく、急がないことでしか生まれない柔らかさを大切にしているからです。現代の速い織機では、糸に強いテンションがかかり、真っすぐ、硬く、均一に仕上がります。それはそれで美しさがありますが、そこには、“余白”がありません。昔の織機は、まるで息をするように動きます。糸の間にふくよかな空気が入り、布全体に、わずかな揺らぎが生まれます。この揺らぎは、不完全さではなく、布が呼吸している証。そして触れると、やわらかい静けさを感じます。手に取るとすぐにわかります。この布は、ただ織られたのではなく、時間と呼吸が重ねられているということを。織りが整いすぎていないその表情は、完璧とは違う美しさ。自然と似たバランス。人の暮らしに寄り添う形。zen no ma が求め続ける“呼吸する布”は、速さでは生まれません。ゆっくり。淡々と。ぶれないリズムで織られた布。その速度こそが、心に触れるやわらかさを生むのです。次は、「羽」と「結」。布が形ではなく、使う人の所作で変化する理由について書きます。 — zen no ma 00 / 01 / 02 / 03 / 04 / 05 → 04
nuno no tabi|02 白 — 時間がつくる静かな白
zen no ma|nuno no tabi 白には、いくつもの表情があります。 強く光る白。 冷たい白。 ただ明るいだけの白。 そして、もうひとつ── 時間がつくる、静かな白。 zen no ma が選んだ和晒しの布は、 薬や熱で無理に“真っ白”にするのではなく、 水と蒸気だけで、ゆっくり整えられます。 数日間、釜の中で眠るように。 急がず、焦らず。 綿が抱えていた余分なものがほどけ、 糸一本一本が、呼吸を取り戻していく。 その時間は、仕上げではありません。 布が、布に還っていく時間。 清めるのではなく、 本来の姿へ、そっと戻していく感覚。 こうして整えられた和晒しは、 光をやわらかく受けとめ、 触れた瞬間、心の速度を落としてくれます。 使う人の暮らしの中で、 すこしずつ柔らかく育ち、...
nuno no tabi|02 白 — 時間がつくる静かな白
zen no ma|nuno no tabi 白には、いくつもの表情があります。 強く光る白。 冷たい白。 ただ明るいだけの白。 そして、もうひとつ── 時間がつくる、静かな白。 zen no ma が選んだ和晒しの布は、 薬や熱で無理に“真っ白”にするのではなく、 水と蒸気だけで、ゆっくり整えられます。 数日間、釜の中で眠るように。 急がず、焦らず。 綿が抱えていた余分なものがほどけ、 糸一本一本が、呼吸を取り戻していく。 その時間は、仕上げではありません。 布が、布に還っていく時間。 清めるのではなく、 本来の姿へ、そっと戻していく感覚。 こうして整えられた和晒しは、 光をやわらかく受けとめ、 触れた瞬間、心の速度を落としてくれます。 使う人の暮らしの中で、 すこしずつ柔らかく育ち、...
nuno no tabi|01 なぜ布からはじまるのか
zen no ma|nuno no tabi なぜ、わたしたちは布からはじめるのか。 静けさは、音のない場所ではなく、触れた瞬間に生まれるもの。zen no ma にとって、布は素材ではありません。暮らしの呼吸を整えるための、やさしい器です。まとう。包む。拭う。敷く。置く。その小さな行為ひとつずつが、心をそっと澄ませます。かつて日本では、布を結ぶ・羽織る・供える・贈るという所作が、暮らしの中で自然に行われていました。言葉より静かな手の動き。包むという行為が、そのまま想いを伝えていた時代。いま、布は“便利なもの”になりました。手間と呼ばれ、忘れられていく美しい所作もあります。けれど布には、まだ眠っています。白の記憶。時間の手触り。呼吸のように寄り添う役割。zen no ma の「布の旅」は、その静かな記憶をもう一度、手渡すための試みです。布は、暮らしの余白をつくり、持つ人の感性に合わせて、すこしずつ育ちます。触れるたび、洗うたび、日々とともに深まる関係。それは、モノではなく、時間との対話です。次は、なぜ和晒しを選んだのか。その理由を、ゆっくり綴ります。 — zen no ma 00 / 01 / 02 / 03 / 04 / 05 → 02...
nuno no tabi|01 なぜ布からはじまるのか
zen no ma|nuno no tabi なぜ、わたしたちは布からはじめるのか。 静けさは、音のない場所ではなく、触れた瞬間に生まれるもの。zen no ma にとって、布は素材ではありません。暮らしの呼吸を整えるための、やさしい器です。まとう。包む。拭う。敷く。置く。その小さな行為ひとつずつが、心をそっと澄ませます。かつて日本では、布を結ぶ・羽織る・供える・贈るという所作が、暮らしの中で自然に行われていました。言葉より静かな手の動き。包むという行為が、そのまま想いを伝えていた時代。いま、布は“便利なもの”になりました。手間と呼ばれ、忘れられていく美しい所作もあります。けれど布には、まだ眠っています。白の記憶。時間の手触り。呼吸のように寄り添う役割。zen no ma の「布の旅」は、その静かな記憶をもう一度、手渡すための試みです。布は、暮らしの余白をつくり、持つ人の感性に合わせて、すこしずつ育ちます。触れるたび、洗うたび、日々とともに深まる関係。それは、モノではなく、時間との対話です。次は、なぜ和晒しを選んだのか。その理由を、ゆっくり綴ります。 — zen no ma 00 / 01 / 02 / 03 / 04 / 05 → 02...
nuno no tabi|00 introduction
zen no ma|nuno no tabi 布には、言葉より深い記憶があります。身にまとうあたたかさ。水を拭ったときに残る香り。誰かがそっと結んでくれた想い。それらは、時間とともに薄れるのではなく、静かに馴染み、息づき、育っていく。zen no ma の「布の旅」は、素材や用途を説明するためのものではありません。忘れられつつある布の精神性と、小さな所作の中にある静かな祈りを、もう一度、手渡すための記録です。ここから少しずつ、布の生まれ方と、それが生む暮らしの呼吸について綴っていきます。読むというより、ただ、そっと触れるように。 — zen no ma 00 / 01 / 02 / 03 / 04 / 05 → 01
nuno no tabi|00 introduction
zen no ma|nuno no tabi 布には、言葉より深い記憶があります。身にまとうあたたかさ。水を拭ったときに残る香り。誰かがそっと結んでくれた想い。それらは、時間とともに薄れるのではなく、静かに馴染み、息づき、育っていく。zen no ma の「布の旅」は、素材や用途を説明するためのものではありません。忘れられつつある布の精神性と、小さな所作の中にある静かな祈りを、もう一度、手渡すための記録です。ここから少しずつ、布の生まれ方と、それが生む暮らしの呼吸について綴っていきます。読むというより、ただ、そっと触れるように。 — zen no ma 00 / 01 / 02 / 03 / 04 / 05 → 01
zen no ma|about
zen no ma(禅の間) 静けさと呼吸を、かたちにする小さな atelier。 大阪の古い邸宅を拠点に香り・布・器を通して“呼吸する暮らし” をそっと届けています。 飾るためではなく余白に静かに宿る美しさを大切にしています。 哲学 五つの言葉を軸にしています。ma 間(ま)minimal 無stillness 静寂purity 澄zen 禅 美学 完全ではない白、すこし生成り。黒ではなく、やわらかな灰。光と影のあいだに生まれる、呼吸のようなかたちとリズム。 香りが消えたあとの余韻。布のゆらぎ。器の沈黙。それらはすべて“何もない中にある豊かさ” を、そっと宿しています。触れた瞬間、呼吸がひとつ深くなる質感を。そして、時間とともにやわらかく育つ侘び寂びの美しさを、暮らしの中に。 ものづくり 白檀を軸に調えた紙香 ― kou no tabi。 空気のように軽い和晒しの布 — 羽 haku・結 yui 。 光と香の余韻を受けとめる器。 用途を決めず、使い手の所作や感性とともに育つものを。 “捨てられない美しさ” へと変化することを願い、ひとつずつ丁寧に仕立てています。 ...
zen no ma|about
zen no ma(禅の間) 静けさと呼吸を、かたちにする小さな atelier。 大阪の古い邸宅を拠点に香り・布・器を通して“呼吸する暮らし” をそっと届けています。 飾るためではなく余白に静かに宿る美しさを大切にしています。 哲学 五つの言葉を軸にしています。ma 間(ま)minimal 無stillness 静寂purity 澄zen 禅 美学 完全ではない白、すこし生成り。黒ではなく、やわらかな灰。光と影のあいだに生まれる、呼吸のようなかたちとリズム。 香りが消えたあとの余韻。布のゆらぎ。器の沈黙。それらはすべて“何もない中にある豊かさ” を、そっと宿しています。触れた瞬間、呼吸がひとつ深くなる質感を。そして、時間とともにやわらかく育つ侘び寂びの美しさを、暮らしの中に。 ものづくり 白檀を軸に調えた紙香 ― kou no tabi。 空気のように軽い和晒しの布 — 羽 haku・結 yui 。 光と香の余韻を受けとめる器。 用途を決めず、使い手の所作や感性とともに育つものを。 “捨てられない美しさ” へと変化することを願い、ひとつずつ丁寧に仕立てています。 ...