nuno no tabi 02|Space 余白

zen no ma|nuno no tabi

nuno no tabi 02|Space 余白

布は速く織ることもできます。

速さは、今の時代では
ごく自然な選択です。

けれど、この布は
百年以上、織ることだけを続けてきた
ひとつの織元で生まれました。

糸に強い力をかけず
急がせることもしない。

昔ながらの織機で
空気を含ませるように
ゆっくりと。

そのわずかな余白が
布にやわらかさと奥行きを残します。

ここでしか織ることのできない布。
再生産のない布。

一見すると、コットンとは思えない表情。
どこかリネンのようで
けれど日本の空気をまとった布。

触れるほどに。
使うほどに。
角が取れていきます。

洗い、乾かし
また使う。

その繰り返しの中で
少しずつその人に馴染んでいく。

それは劣化ではなく
育ち。

毎日、たくさんの情報に触れ
目まぐるしく過ぎていく日々の中で。

気づけばそこにあり
無意識に手を伸ばしてしまう。

使い込むほどに
その人の時間をまとっていく。

ただ
気づけば
いつも手にしている布。

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zen no ma

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