RITE - SHOW @ SANTA MARIA NOVELLA

RITE - SHOW @ SANTA MARIA NOVELLA

JAN-JAN VAN ESSCHE

RITE

An Eternal Ritual of Craft and Culture

2023年1月11日、フィレンツェの夜。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の静寂に包まれ、布は静かに時を超える。

受け継がれるクラフトの精神が、光と影の戯れとともに静かに息づく。

やがて、すべてが響き合い、一つの儀式となる。

JAN JAN VAN ESSCHE(JJVE)のショーは、単なるコレクションの発表ではなく、
時と対話する体験だった。

The Invitation 儀式への招待

The Invitation

A Silent Prelude 静寂の前奏

時を超え、始まりを静かに待つ瞬間。

ホテルのベッドの上、静かに置かれた一枚のインビテーション。

余計な装飾はない。

けれど、その紙に触れるたび、静かな鼓動が伝わる。

それは、儀式の扉が開く合図だった。

A Sacred Space, Bathed in Light 光に包まれた聖域

Santa Maria Novella

History whispers through illuminated stone.
歴史が光を受けて、静かに語りかける。

サンタ・マリア・ノヴェッラ教会。

1246年から続く祈りの場。

夜の帳が下りる頃、その神聖な気配は一層濃くなる。

ライトアップされたファサードが、儀式の幕開けを静かに告げていた。

ホテルの窓から見えるサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。

朝焼けの淡い光が街を包み込み、夜の静けさがその名残をとどめる。

目の前に広がるこの景色は、ただの風景ではなく、
この特別な夜の余韻そのものだった。

The Stage of Art and Movement 芸術と動きの舞台

The Stage of Art

A Threshold Before the Ritual 儀式の始まりの境界

The space breathes in anticipation.
空間が静かに息をのむ、儀式の前触れ。

第一部:静寂と威厳

Model Grace

A Procession of Cloth and Light 布と光の行進

The first steps into the ritual begin in silence.
儀式への第一歩が、静寂の中で始まる。

教会のホール。

モデルたちが登場した瞬間、静寂が支配する。

JJVEのPROJECT#11 “RITE”

その布の重み、静謐な動きが、古代の儀式の記憶を呼び覚ます。

ピナ・バウシュの『The Rite of Spring』にインスパイアされたコレクション。

旋律と静寂が交錯し、布の流れが音を奏でる。


第二部:生命のリズム

Dancers in Motion

Dancers in Motion 動き出す布

息づかいと動きが、布の中に物語を織りなす。

次に始まったのは、ダンサーたちによるパフォーマンス。

絞り染めの布が踊るように揺れ、
衣服が単なる「モノ」ではなく、生命そのものであることを示していた。

彼らの動きが生み出すリズムは、
JJVEのデザインが持つ自由さと調和の象徴だった。


第三部:触れることで生まれる対話

A Moment of Profound Connection 深遠なる対話の瞬間

布と触れ合い、静かに交わされる理解。

このショーでは、いくつもの場面が心に刻まれた。

Margiela Muse

The Margiela Muse - マルジェラのミューズ

その存在が、空気を一変させる。

Artisan at Work

The Artisan Behind the Threads 糸を紡ぐ職人

光に運ばれ、時を超えてささやかれる手織りの物語。

ランウェイの最後に登場した職人の Lamine Diouf が自ら織り上げたテキスタイルを纏って現れた姿。

その布には、人の手で作り上げられた温かさと、時を超える力が宿っていた。

A Rhythmic Ritual in the Courtyard 広場に響く、リズムと祈りの交錯

動きの響き、布のささやき。

Celebration Scene in the CourtyardCelebration Scene in the Courtyard 広場の祝祭の瞬間


A moment of shared reverence.
敬意が交わるひととき。


JJVEが紡ぐ「服の哲学」

Designer Jan Jan Van Essche

A Vision in Fabric 織り込まれた哲学

A dialogue between tradition and modernity.
伝統と現代が対話する一枚の布。

JJVEの服作りには、過去と未来、自然と人間、静と動のすべてが宿っている。

素材への敬意、職人の技術の継承、そして着る人の自由。

この哲学は、BORDEAUXの価値観とも響き合う。

日常の中に、この余韻を纏ってほしい。


最後に

Birds over the Arno RiverBirds Flying Over the Arno River - アルノ川を舞う鳥たち

Fleeting moments, eternal memories.
儚い瞬間、永遠の記憶。

日本のお店で唯一このショーに招待されたBORDEAUXとして、この体験を、あなたと共有できることが、何よりも嬉しい。

JJVEが描いた世界の中に入り込むようなこの儀式は、単なるファッションショーではなく、時間や文化を超えた「対話」だった。

 

JVEショー全体の様子については
以下のリンクをご覧ください。


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