MARIA RUDMAN – ブレスレットの経年変化、サイズ感、メンテナンスなどについて

MARIA RUDMANはフランス・パリを拠点に活動するデザイナーが、自身のルーツであるサーミ人の伝統工芸品「Duodje(ドゥオッチ)」やシルバー作品を、故郷であるラップランドの職人たちが受け継いできた本物の技術によって製作しているブランドです。

MARIA RUDMANの作品は一つひとつ個性があり、BORDEAUXのお店でも「どれにしよう」と悩まれるお客様もたくさんいらっしゃいます。

ですから、ONLINE SHOPでご検討くださっている方であれば、なおさら「これ!」と決めるのは難しいと思います。

お店に来てくださったり、メールInstagramのDMでお問い合わせいただければ、細かくサポートできますが、色々な事情で難しい方もいらっしゃるはず。

そこで今回は、長年取り扱わせてもらっていて、自分自身も愛用している私の目線で、MARIA RUDMANのDuodjeの選び方やサイズ選び、シルバー作品も含めたメンテナンス方法などについて、ご紹介しようと思います。

参考にしていただければ幸いです。

 

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「自分に合った」MARIA RUDMANのDuodjeはどう選ぶのがおすすめ?

MARIA RUDMANのDuodje(ドゥオッチ)には、オーセンティックライン、クラシックラインがあります。クラシックラインはそこからさらにカラーがTANとBLACKの2色に分かれます。

トライバル感やハンドクラフト感のあるファッションが好きな人にはオーセンティックライン。もう少し都会的な、洗練された雰囲気が好みの人にはクラシックラインのTAN、よりモードっぽいファッションが好みならBLACKがおすすめです。

以下にそれぞれが与える印象の違いを表にまとめました。Duodje選びの参考にしてみてください。

ーオーセンティックラインとクラシックラインの違い

AUTHENTIC オーセンティック

CLASSIC クラシック

サーミの人たちが自分たちのためになめすトナカイの革を使用。染料を使わないので、新品の状態でも色合いにムラがある。 スウェーデンの名タンナーによってなめされたトナカイの革を使用。染料を使って色をつけるので、色合いが均一になる。
丈夫な糸を使っているが、昔ながらの手作り感のある節(ふし)が残っている。 丈夫で均一な糸を使っている。
デザイン サーミ人に伝わる、トラディショナル(伝統的)なデザインを使用。 デザイナーのMariaさんが、ファッション要素を取り入れ、現代風にアレンジしたデザインを使用。

クラシックラインのTANとBLACKの違い

TAN 都会的な印象を与える革を使っていますが、レザーらしいカラーなので比較的ナチュラルだったり、カジュアルなファッションがお好みの方におすすめです。
BLACK 黒はモードの色なので、都会的な洗練されたファッションがお好みの方におすすめです。金属製の腕時計やスーツといったアイテムとも相性が良いです。

Duodjeのサイズ選びはどうすればいい?

BORDEAUX では、SサイズとMサイズのDuodje(ドゥオッチ)を用意しています。

サイズ 長さ(留め具を含む全体の長さ)
S 17.5cm
M 19cm

※オーセンティックラインは多少の誤差が出る場合があります。
※S・MはBORDEAUXがわかりやすくするために独自に決めたサイズの基準です。

付け心地はDuodjeの幅や革の厚みによっても微妙に変わりますが、だいたい以下の基準で選んでいただければ、好みの着用感になります。

着用感 サイズ選びの基準
ぴったりめ 手首の周囲の長さ+1cm前後 ・手首の周囲16cmの人はSサイズ
・手首の周囲17cmの人はMサイズ
ゆったりめ 手首の周囲の長さ+2cm前後 ・手首の周囲15cmの人はSサイズ
・手首の周囲16cmの人はMサイズ

※Sでも小さい方、Mでも大きな方はご相談ください。
※ラクなので、BORDEAUXもMariaさんも「ゆったりめ」の着用感をおすすめしています。

なお、手首の周囲を測るときは次の点を意識してください。

・Duodjeをつける位置によって手首の周囲の長さは変わるので、「つけたい位置」を測る。
・正確に測れないので、メジャーは手首の皮膚に食い込ませない。

どう経年変化していく?

ーDuodjeの場合

Duodjeはオーセンティックラインとクラシックラインで使っている革や色が違うので、経年変化にも違いがあります。

経年変化の違い 共通の経年変化
オーセンティックライン 染料が入っていないので、つけ始めから色が変化するまでが早い。最終的にはTANよりも深みのある、濃い焦茶色になる。 ・ピューターが潰れて革の中に埋まっていき、より肌の色に馴染んでいく。
・着用するたびに革が柔らかくなり、より肌の感覚に馴染んでいく。
クラシックライン TAN 染料が入っているため、オーセンティックラインに比べるとつけ始めから色が変化するまで時間がかかる。最終的には濃い焦茶色になる。
クラシックライン BLACK 色味はほぼ変化しないが、革に光沢が出る。

ちなみに2本目、3本目と買い足していくと、1本1本の色味に違いが出てきます。これもこれで楽しみの一つですが、どうしても気になる場合は、次の方法を試してみてください(ただし、あくまで自己責任で)。

1. Duodjeをつけたままシャワーを浴びる。
2.陰干し、もしくは着用したまま乾かす。
3.レザークリームや上質なオリーブオイル、ワセリンなどで保湿する。

ーシルバー作品の場合

MARIA RUDMANのシルバー作品も、他のシルバーアクセサリーと同様、空気中の水分などと反応して錆びて(硫化して)いきます。キャスト(型を使って作る方法)ではなく、シルバーの板を叩いて作っているので、奥行きのある、独特の経年変化が楽しめます。

着用したときに洋服などと擦れる部分は自然と光沢が出て、擦れない部分は錆びていきますが、そういった不均一な感じも素敵です。

錆びに関しては好みがあるので、店頭でご購入のお客様には「磨いてお渡しするか、このままでお渡しするか、どちらがいいですか?」とお聞きして、要望に合わせて対応しています。

ONLINE SHOPで購入されたお客様の場合は、どの方に関しても全てきれいに磨いてお送りしていますが、前もっておっしゃっていただければ、ご要望通りにいたします。遠慮なく申し付けください。

メンテナンスはどうすればいい?

MARIA RUDMAN作品のメンテナンスは、Duodjeもシルバー作品も、基本的に一般的なレザーアイテムやシルバーアクセサリーと同じで大丈夫。むしろ品質が良いので、一般的なものよりも神経質になる必要はありません。

ーDuodjeの場合

日常的なメンテナンス ・毎日つけているならメンテナンスはほとんど不要。
・水に濡れたあとや、冬の空気で乾燥して、乾いた手触りを感じたら、レザークリームやオイル、ワセリンなどで保湿する。
・自分のお肌と同じで、乾ききってしまう前にお手入れを。乾燥して裂けてしまうと修理はできなくなります。
長期保管前のメンテナンス ・保湿をしたら風通しのいい場所で1〜2週間置いてからしまい込むか、その場所で保管する。
・保湿をしてすぐにタンスなどにしまい込むとカビの原因になる。

私の場合は、冬場に「ちょっとカピカピしてきたな」と思ったら、ワセリンやTAPIR(タピール)を気分に応じて使い分けています。

ーシルバー作品の場合

ピカピカで使いたい場合 適宜シルバー磨きでメンテナンスしてください。細かい部分は綿棒などにシルバー磨きを巻きつけて。
錆びも含めて楽しみたい場合 特にメンテナンスは必要なし。着用したときに洋服などと擦れる部分は自然と光沢が出て、擦れない部分は錆びていきます。

※バングル作品などサイズ調整が可能なものは、一度サイズを決めたら後は開いたり閉じたりしないようにしてください。金属疲労で折れる可能性があります。

ーこんな時はどうすればいい?

MARIA RUDMAN作品はどれも着用感がよく、ずっとつけているというお客様もたくさんいます。でもずっとつけていると、「あ!やってしまった!」というトラブルも起こります。

例えばDuodjeの水濡れ。汗をかいた時、食器を洗う時、手を洗う時など、「水飛沫が飛んだらどうしよう」と心配に思う人もいるかもしれません。

もしぐっしょり濡れてしまった場合は、風通しの良い場所で陰干しをして、乾いてからメンテナンスをしてあげてください。

多少の汗や水飛沫であれば、そこまで気にする必要はありません。そのままつけているだけでゆっくり乾き、肌の油分で保湿できます。それでももし乾燥を感じたら、そこで初めてメンテナンスしてあげれば十分です。

またDuodjeの留め具が切れたり、シルバー作品が折れてしまったりした場合。

今までそういった相談は聞いたことがありませんが、シルバー作品は一度折れると元通りには直せません。なので、あまり無茶な扱いはしないようにご注意ください。

Duodjeの留め具は10年くらい使っていると、輪の方が切れることがあります。その際は2種類の対応ができます。ただし、修理の対応はBORDEAUXで購入いただいたMARIA RUDMANのみとさせていただきます。あらかじめご了承ください。

パリまで持っていき、Mariaさん本人に修理してもらう。 ・仕上がりは(当たり前ですが)とてもきれいです。耐久性も高いです。
・パリに行くタイミングで直してもらうので、タイミング次第で3〜6ヶ月待ってもらうこともあります。
BORDEAUXでオーナー久永が修理する。 ・仕上がりは(これも当たり前ですが)本物に劣ります。耐久性ももしかしたら低い、かも……。
・紐は本物と同じものを使います。
・即日から長くて1ヶ月でお直しできます。

「これが不安」「やってしまったかも」ということがあれば、気軽にお問い合わせください。できる限り対応させていただきます。

2本目、3本目のDuodjeはどう選べばいい?

Duodjeは2本、3本と重ねづけをすることで組み合わせる楽しみや美しさが生まれます。また1日の始まりや出かける前に、2本、3本とDuodjeをつけていく時間は、シャツのボタンを留める時間のように、気持ちを引き締めてくれます。

ただ2本目、3本目の選び方に迷われるお客様も多いようです。BORDEAUXで取り扱っているDuodjeだけでもかなりの種類があるので、1本目とどれを組み合わせたらいいのか、なかなか決め切れないのだと思います。

どんな時に、どんな場所で、どんなふうにつけたいのかによって変わりますが、ここでは私が2本目、3本目を選んだ時の考え方をご紹介します。

ポイントはピューターと革の分量です。

Duodjeのデザインを大きく分けると、ピューターの分量が多いものと革の分量が多いものに分けられます。2本の場合は、どう組み合わせても意外としっくりくるので「これが好き!」というものをお選びいただいて間違いはないと思います。

「ピューターの分量が多いもの」と「革の分量が多いもの」、「ピューターの分量が多いもの」と「ピューターの分量が多いもの」、「革の分量が多いもの」と「革の分量が多いもの」で、好きな組み合わせを見つけてみてください。

悩ましいのは3本目。ピューターの分量が多いものは、離れて見た時に1本のシルバーのブレスレットに見えます。この見た目の効果を利用して、

1.ピューターの分量が多いもの
2.革の分量が多いもの
3.ピューターの分量が多いもの

の3本で組み合わせたり、

1.革の分量が多いもの
2.ピューターの分量が多いもの
3.革の分量が多いもの

の3本で組み合わせると、リズムが生まれてまとまりよく見えます。ピューターの分量が多いものが好きな人は、

1.ピューターの分量が多いもの
2.ピューターの分量が多いもの
3.ピューターの分量が多いもの

の組み合わせにしても、洗練された雰囲気が出ます。実際、友人のショップオーナーの方は、全てピューターの分量が多いもので揃えてらっしゃいますが、とても素敵です。

また個人的には、2本までなら同じ幅でも良いのですが、3本以上になると幅の太いもの、細いものを混ぜるとこなれた雰囲気が出るように思います。

太いものの魅力は「1本つけてればサマになる」ところ。細いものの魅力は「気分によって付け替えて微調整ができる」ところ。上手に選んで、自分だけのスタイルを見つけてみてください。

MARIA RUDMAN作品はどうスタイリングするのがおすすめ?

MARIA RUDMAN作品はDuodje、シルバー、どちらもミニマルなデザインが多いので、基本的にはどんなスタイリングにも合わせられます。

でもDuodjeのようなアクセサリーを初めてつけるという方の中には、「自分の手持ちのファッションと合わせられるのかな?」と不安に思う人もいるかもしれません。

そこで以下ではカジュアル、ドレス、モードの3種類のスタイリングに、BORDEAUXオーナー久永が合うと思うDuodjeを選んでみました。

カジュアルなスタイリングには、1本で存在感のあるオーセンティックラインの中でもスペシャルなデザインのDuodjeを合わせてみてはどうでしょうか。

オーセンティックラインやベーシックラインのTANはブルーデニムとの相性がとても良いので、トップスに何を持ってきてもしっくりくるはずです。

エレガントな白シャツに、シックな黒のパンツを合わせたスタイルには、オーセンティックラインやベーシックラインのTANを合わせると程よい抜け感が出ます。

写真では2本付けをしていますが、TPOが許すのであれば1本に減らして腕時計をつけても素敵です。もちろんDuodjeを黒にすれば、よりドレッシーなスタイリングにすることもできます。

モードスタイルには、やはりベーシックラインのBLACKが一番フィットします。特に写真のような細幅のものは、より洗練されて見えます。

ただドレススタイルの時と同じで、オーセンティックラインやベーシックラインでもTANを合わせることで抜け感を作ることもできます。自分好みのバランスに合わせてお選びください。

SOLDOUTのものはもう購入できない?

BORDEAUXのONLINE SHOPにはSOLD OUTになっている作品があります。このSOLD OUT の作品も、ものによってはオーダーいただくことができます。

「ものによって」というのは、なかにはもう作れないデザインもあるからです。

MARIA RUDMAN作品はサーミの職人たちの手で作られていますが、なかには「○○さんしか作れない」というものもあります。そのため、とても悲しいことですが、職人の高齢化によって作れなくなるデザインも出てくるのです。

ただしクラシックラインの作品は基本的に作れるので、SOLD OUTになっていてもオーダー可能です。

納期は3ヶ月〜。BORDEAUXはMARIA RUNDMANからだいたい1年に4回ほど仕入れをしますが、そのタイミングでオーダーをするからです。

また、作品はラップランドで作られていて、完成してからパリのアトリエに送られ、そのあと日本に発送されるため、出来上がってからもけっこう時間がかかります。

なので、タイミング次第では待っていただくことになりますが、その代わり「欲しいデザインのものが入荷しなかった」「購入する前に売り切れてしまった」ということはなくなります。

もし気になる作品がありましたら、お気軽にInstagramのDMまでご連絡ください。

最後は自分の感覚を大切に

色々な選び方を紹介しましたが、結局のところ「自由」です。ドレスコードやTPOという言葉もありますが、最後はやっぱり自分の感覚が全て。

MARIA RUDMANの作品についても、デザインや色、サイズ感、組み合わせ、メンテナンスの方法も含め、正解というのはありません。

なのでここで紹介した考え方は、あくまでも参考でしかないのです。「こんなふうになりたい」「自分らしくいたい」という感覚を大切に、自由なスタイルを楽しんでください。

BORDEAUX オーナー・久永

【ONLINE SHOPのMARIA RUDMANの作品はこちらからご覧になれます。クリックすると表示されます。】

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